フランス「ユークロニー」

FRA-006-Uchronie

ユークロニーは「時」を神格化した神・クロノスに由来し、「いつもの時ではない」「時の枠外」という意味を表しています。ユークロニーは自身の演奏のコンセプトについて「シャンソン・ロック・ソシオ・ポエティキ(社会詩的なロックソング)」と評しています。彼らは今この瞬間に起こりそうにないこと、つまり昨日と明日の間といった時間の外側を表現しています。

ユークロニーは徹底的にフランス文化を体現しながらも、世界に普遍のスタイルやメッセージを追い求めています。2009年の結成以降、ジルの「止まらないギター」、ゲールの「幻覚的な歌詞」、レイチェル「華のキーボード」、そしてフィリップの「アースドラム」という「ロックソング」としての「方針」を打ち立ててきました。ボーカルのエミリーはパリの高等演劇学校の出身で、曲には歌と「表現」の両方を織り交ぜています。

ユークロニーはその歌詞に、詩的な部分と社会との関わりとの両者を込めています。例えば「エクリ・モア(私を書きとめて)」はアメリカ同時多発テロ事件について。「チャンス」は「登録されていない」つまり法律上の地位がない外国人について。そして「レルー(オオカミ)」は狂気と不寛容について、それぞれ表しています。歌詞はほとんどがオリジナルですが、たまに著名な原典からの借用があります(「クリスマス・ワルツ」および「レルー」の一部の歌詞はボリス・ヴィアンの詩から、など)。

ユークロニーは25歳から52歳のミュージシャンで構成されているので、世代の幅がとても広いといえます。ユークロニーは愛と感動の時を過ごすため、若者から高齢者まですべてがひとつに集まる喜びのため、しばしば無料の公演を引き受けています。実は2010年、第003回芸術祭を見るために、2人のメンバーが函館を訪れました。当時のユークロニーは結成してまもなくの頃でした。芸術祭もいまや成長した内容とともに大勢で彼らを迎え、かつテーマである「ロングナウ・ビッグヒア」にふさわしい彼らの演奏が聞けることを嬉しく思っています。

http://www.uchronie.info/